叙勲受賞に際して

2015-04-06

 この度、はからずも平成26年度秋の叙勲で瑞宝双光章の栄誉に浴し、天皇陛下に拝謁の栄に賜るため緊張のなか電車に乗る。
 妻の着付け等があるので、伝達式会場の日比谷公会堂に近いTホテルを予約する。予算の関係上リーズナブルな部屋を予約したが、チェックインすると「スイートルームを御用意しました」と言われ一瞬返す言葉を失う。
 Tホテルのスイートに宿泊するほど余裕はないので、確認すると、叙勲受章者へのTホテルからのおもてなしだそうで「長年国民のためにご苦労様でした」と言われ、突然のサプライズに驚くと共に叙勲の重さを痛感する。
 スイートルームに宿泊する方は、Tホテルの高価なフルコースを堪能するのだろうが、私は明日、天皇陛下に拝謁する緊張感を引きずっているので、気楽に飲食できる居酒屋で妻と乾杯をする。スイートルームより妙に落ち着く。
 翌朝、ルームサービスを予約しておいたが届かない。だが、スイートルームは、フルーツ等が十分に用意されているので問題なくフルーツですましたところ、支配人、副支配人等が謝罪にきて名刺を出されたときは危機管理対応の素晴らしさに再び感動する。
 1階のレストランに案内され、2回目の無料の朝食をとる。
 大切なものは、人、モノ、金、時、知らせと言われるが、Tホテルはホスピタリティ、人で支えられていると感じた。
 11月11日文化の日、日比谷公会堂で高市早苗総務大臣からの伝達式が行われ、午後からバスに分乗して皇居に向い、午後3時からオバマ大統領が晩さん会を催した、豊明殿で天皇陛下への拝謁が行われた。
 以前、義理の息子クリストファーに日本は大震災が起こっても略奪や暴動が起きないのは何故かと聞かれた時、日本人はアメリカ人と違って道徳心があるからと適当に答えたが、天皇陛下が来場した瞬間に、クリストファーに間違った答えをしたと確信した。
 日本国民は、天皇陛下のオーラに包まれ守られているからこそ、どのような状況下にあっても理性を保ち続けられていると。
思いやり、感謝、感動、癒し、夢、希望、ホスピタリティ等、天皇陛下に拝謁して今まで目に見えないものが見えてきて、これから目に見えない物を大切にしなければならないと強く感じた次第です。
 今年度、金沢弁天園は設立10周年を迎えますが、20周年に向けての基盤づくりは目に見えない物を大切にしながら、入所者様のために職員一同、努力精進したいと思います。

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