ロンドン プリーズ

2018-09-05

 長女が高校生の時、イギリスで2週間のホ―ムスティ研修があり参加することになった。 自分ができなかった夢を子供に託して送り出す。
 帰国してからイギリスの感想を聞くと、「日本人に生まれて失敗した」という。
 ロンドンでは、誰もが気軽に声をかけてくれて街を歩くのが楽しいらしい。日本人は、シャイみたいだ。
 イギリスの虜になった長女は、大学はロンドンに留学できる国際交流科を選んだ。1年半が過ぎ帰国3カ月前の時に、長男がスイスのチューリヒに料理の勉強に行くことになった。兄妹がヨーロッパで3カ月滞在することは貴重な経験なので、妹に逢いに行くよう話すと重い返事をしながら機上の人になる。
 英語が話せない長男に、スイスでの会話はどうするのか聞くと、厨房では、ドイツ、フランス、イタリア語で話すそうでスイス語は地球上にはないそうだ。英語は、観光客が話すらしい。英語ができなくても問題ないという。
 長女の、帰国1か月前にロンドンから国際電話が入る。
「お父さん 今、誰といると思う?」
長女は、冷静に話しているようだがテンションはマックスだ。
「ロンドンに行ったな!」
「お兄ちゃんが来てくれたの! 英語が話せないお兄ちゃんが、私のために来てくれたの!」と、興奮して話している。私も長女以上に興奮しているので抑えるのが大変だ。
  長男にどうやってロンドンまで行けたのか聞いてみると、「ロンドン プリーズ」で行けるという。このような刹那的な思考回路は誰に似たのだろうか?
 情熱を持っていると、協力してくれる人が集まるからだと思う。
「…のために」頑張る人には協力者が現れるのでロンドンまで無事に行けたのだろう。 だが、入国審査の際、就労ビザなので別室で一時間半にわたり質問攻めにあったそうだが、英語がまったく理解できない長男に、検査官が諦めて入国を認めたそうだ。
 その後、長女は、アメリカ人と結婚をしてハワイに15年、現在は気温47度の砂漠のような気候のカリフォルニアに住んでいる。でも、自宅から歩いて10分の所にラスベガスに次ぐ巨大なカジノがあり、アルコールは無料だから有難い。
 客層は裕福な中国人が多く、ロスからシャトルバスで送迎され併設のホテルに宿泊しながらカジノを楽しんでいる。アメリカでは、公共施設は禁煙だがカジノは喫煙可能なので全体がタバコの臭いがする。ここは、インデアンの居留地のため喫煙ができる。
 カジノ建設もインデアンの居留地だからできるそうだ。インデアンの血が流れていると大学も無料とか? アメリカは、むずかしい。
 金沢弁天園の海外視察研修は、今年も昨年に引き続き、ロサンゼルスに決まった。
 孫のクリスタルがカリフォルニア大学に合格したので、入学祝いに小学校4年生の孫娘と研修に同行することにした。
 ロサンゼルスの、介護施設視察の通訳と運転は長女夫婦に頼んでいるので、安心して職員2名とロスへ飛ぶ。
 ロサンゼルス空港に、迎えに来ている長女を見るとたくましさを感じる。
 親も兄妹もいないアメリカで、クリストファー(義理の息子)と二人の娘を育て上げた母親のパワーに脱帽する。
 長女がロンドンに行ったお蔭で、私の人生の幅が広がった。飛行機で11時間かかる距離で一抹の寂さはあるが、最近は時差を飛び越えて、ラインの無料テレビ電話でいつでも話せるから問題ないが、時差を間違えると叱られる。マイナス17時間だ。
 人生は何が起きるかわからない。
 長女が、ハワイのオアフ島に住んで5年目に、ロンドンでお世話になった夫婦が離婚して奥さんがハワイに遊びに来た。その時、クリストファーの上司が遊びに来て運命の出会いになり、現在、オアフ島のプライベートビーチ付邸宅に住んでいる。
 長女に感謝しきれないと言っているが、美女コンテストで何度も優勝している美人には世界中の殿方は弱いようだ。
 人生を刺激的にするには、出会を大切にして自分に挑戦することかもしれない。

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